お久しぶりです。
歯科医師の大川です。
今回はお子さんの歯について書いていきたいと思います。
まず、お子さんが誕生してから歯が初めて生えるのは、いつ頃でしょうか?
基本的には下の前歯がお子さんが誕生してから6ヶ月くらいで生えてきます。
(個人差はあります。)
そこから3歳くらいまでにお口の中全体で20本歯が生え揃っていきます。
この期間の中で重要なのがいわゆる「感染の窓」と言われる時期です。
お子さんが産まれて19ヶ月(上下の奥から2番目の乳臼歯が生える時期)から31ヶ月(全ての乳歯が口腔内に顔を出している時期)を指します。
ミュータンス菌(虫歯の原因となる菌)が感染し定着、増殖しやすい時期と言われています。この時期にいかにミュータンス菌が感染しないかが重要となります。
感染させないためには予防が重要です。
今日はその予防策についてご紹介します。
1.小さい頃からお口の中に物が入ることを慣らしましょう
産まれてすぐの頃から頬や唇をマッサージしてあげて、お口を触ることに嫌悪感がうまれないようにしてあげましょう。歯ブラシを使い始めるタイミングは歯が生えてから使っていただければ大丈夫です。
歯ブラシの大きさは大人用ではなく子供用の物を使います。タフトブラシや歯間ブラシを併用してあげるのもいいと思います。
食後に歯ブラシをするということを小さい頃から習慣づけてあげましょう。
2.大人とスプーン、お箸を共有しないようにしましょう
産まれたばかりのお口には虫歯菌がいません。虫歯菌は大人からお子さんへうつります。感染予防のためにはスプーンやお箸、コップはお子さん専用のものを使用しましょう。ご兄弟がいる場合もそれぞれ専用のものを準備してあげてください。もちろん食べ物の口うつしもNGです。この注意事項は親御さんだけではなく、親族全体で共有できているといいですね。
3.ダラダラ食べはさせないようにしましょう
ダラダラ食べとはおやつを決まった時間ではなく、ずっとお口の中にいれてる状態のことを指します。お口の中に食べものやジュースが入ると酸性にお口の中が傾きます。酸性の状態が続いていると歯が溶けやすくなってしまいます。
上記のグラフの様に食べる回数が多ければ多いほど虫歯になってしまうリスクは高くなってしまいます。グラフ中にある点線はエナメル質の臨界pHです。(臨界pHについては後ほど説明しています。)おやつはお子さんの栄養補給において大事な役割を担うこともあるので、あげてはいけないということはありません。決まった時間にあげて、ずっと食べている状態は避けましょう。
4.仕上げ磨きをしましょう
お子さんご自身の歯磨きでは不十分になってしまいます。歯を磨いたつもりでも実は磨き残しがびっしりついていた!なんてこともよくあります。
せめて夜だけでも仕上げ磨きをして磨き残しがないか確認してあげてください。
磨き残しが多い部位は①歯と歯の間②奥歯の噛み合わせ部分③歯と歯ぐきの境目です。注意深く見てあげてください。
5.ブクブクうがいを早めにできるようにしておきましょう
お子さんが自分でうがいができるようになればフッ素含有の歯磨き粉を使用できます。お口の中に水を入れることができ、ほっぺたを膨らませてうがいができるように、練習して取り入れてみて下さい。
お子さんの虫歯予防策については以上です。当院では歯の磨き方の指導やフッ素塗布も行っていますのでいつでも気軽にご相談ください。
乳歯はいつか抜ける歯です。だからといって歯磨きを怠ることは絶対にやめてください。乳歯は永久歯(大人の歯)よりも虫歯が進行しやすく神経に達しやすいです。
また虫歯で乳歯を早期に失った場合は大人の歯の歯ならびにまで影響してきます。
お子さんの歯を守ることができるのは保護者様方です。皆様で歯への意識を高めてお子さんのお口が健やかに成長されることを願っております。
午前診療時間:9:30〜13:00
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歯科医師 大川悠里
臨界pHとは
臨界pHとは、歯質がミネラルの喪失を起こすもっとも高いpHの値。
プラーク溶液中のpHが5.5以下に低下すると、エナメル質のハイドロキシアパタイトが唾液やプラーク溶液中に溶出する。食事回数の増加は、継続的なpHの低下を持続させ、その結果、脱灰時間が延長してう蝕リスクを増加させることから、規則正しい食生活習慣が望まれる。
クインテッセンス出版株式会社より
https://www.quint-j.co.jp/sp/web/keyword/keyword.php?no=38003