ご妊娠中の歯科診療について

さて、新年最初のブログですが、最近診る機会の多かった、ご妊娠されている方の歯科診療について触れてみたいと思います。ご妊娠されている方、またこれからご妊娠を考えられて　いる方、ご家族の方に知って頂きたいことについてまとめていきます。

　妊娠すると女性の体には様々な変化が起こります。

妊娠により、女性ホルモン（エストロゲン・プロゲステロン）の分泌が急上昇することで、唾液の性質が酸性に傾き、粘性を増し、歯周病原細菌の数も増加します。そのため、虫歯や歯肉炎にかかりやすく、悪化しやすい環境となり、妊娠初期には妊娠性歯肉炎が、妊娠中期には妊娠性エプーリス（エプーリス：歯肉に発生する突起状の腫瘤）が発症しやすくなります。

　近年では、特に歯周病について、妊婦が重度の歯周病に罹ってしまっていると、早産を誘発したり、歯周病菌が口腔内から血流に乗って胎盤にたどり着くと、胎児の発育不全や低出生体重児出産（2,500g未満）などを引き起こしたりする可能性があるといわれています。

　母子健康手帳をご存じでしょうか。

妊娠の届け出をした際に、市町村から交付される冊子です。

母子健康手帳には多くの情報があり、妊娠・出産・子供の成長と切れ目のない支援を目的として製作されています。母子健康手帳の中には妊婦の口腔内の健康状態の記載のページがあります。その中には「※むし歯や歯周病などの病気は妊娠中に悪くなりやすいものです。歯周病は早産等の原因となることがあるので注意し、歯科医師に相談しましょう。

※歯科医師にかかるときは、妊娠中であることを話してください」とのメッセージが添えられています。歯科診療・検診にいらっしゃった妊婦の方は、必ずご提示いただきますようよろしくお願いいたします。

　当院では初診時の問診票の中に妊娠の有無を記載する欄があります。

妊娠の時期によっては、レントゲン撮影を控え、また体への負担が大きい治療を避ける等の配慮をさせていただいております。これから生まれてくるお子さまの健康まで含めて、口腔内から妊婦の方のケアをして参りますので、ぜひお声がけください。

午前診療時間:9:30〜13:00

（最終受付12:30）

午後診療時間:14:30〜19:00

（最終受付18:30)

休診日:日曜・祝日

宜しくお願い致します。

八王子駅徒歩1分

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総合歯科診療のくろさわ歯科医院

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くろさわ歯科医院

歯科医師　須藤光竜

参考文献

・ザ・クインテッセンス2021　11月号,12月号

　お母さんと子どもの口腔と健康を守る歯科医療

・厚生労働省HP

　母子健康手帳について ｜厚生労働省 (mhlw.go.jp)