こんにちは、衛生士の村上です。
最近は暖かくなり、桜が満開の素敵な時期ですね(^^)
ですが、同時に花粉の時期でもありますね。
今年は黄砂やPM2.5の影響も強いそうで、コロナだけでなく益々マスクが手放せない日常です。
ところでマスクをしていると、自分の口臭が気になることはありませんか？
誰しも人の口臭が気になった経験があると思います。
もしかしたら自分も…と思うと心配になりますよね。
今日は当院で扱う歯磨き剤の中で、口臭の原因菌へのケアにオススメなものをご紹介しようと思います。
まず１つ目がコンクールジェルコートFです。
こちらは歯磨き粉について調べたことのある方なら聞いた事があるかもしれませんね。歯科医院はもちろん、バラエティショップやドラッグストアでも取り扱っている虫歯や歯周病予防の定番と言ってもいいくらい有名なものだと思います。
殺菌効果としてグルコン酸クロルヘキシジン（ＣＨＧ）という成分が配合されています。口臭や虫歯の原因となるバイオフィルム（プラーク ）を破壊し、歯や粘膜に成分が留まることで最大１２時間細菌の繁殖を防いでくれます。
歯質を強化してくれるフッ素も950ppm配合されているので、虫歯の予防にも有効です。
使用感は緩めのジェルタイプで、味は優しいミント味です。甘味料としてキシリトールも配合されています。
研磨剤が含まれていないため歯を白くしたりする効果はありませんが、その分歯への侵襲性も少ないといえます。
まれにＣＨＧが原因で歯面に茶しぶのような着色をおこすことがあるので、気になる場合は使用を控えてください。
その際着いてしまった着色はクリーニングで簡単に落とせるのでご安心ください。
２つ目がSystema SP-Tジェルです。
こちらは少し前にライオンから開発されたもので、コンクールと比べるとまだ知名度は低いですが、確かな実力をもつ期待の歯磨き剤です。
殺菌効果として、ラウロイルイルサルコシンナトリウムが口腔内に浮遊した細菌に作用し口臭を予防します。
また、多くの成分はバイオフィルムの表層までしか作用しないのに対し、イソプロピルメチルフェノール（ＩＰＭＰ）という成分がバイオフィルムの内部まで浸透し強い殺菌効果を発揮します。
こちらもフッ素が1450ppm（日本での上限は1500ppm）配合されているため、虫歯予防の効果が期待できます。
また、トラネキサム酸やビタミンEも配合されているため歯茎の炎症を抑えつつ栄養を与えてくれます。
使用感は粘度の高いジェルタイプで歯周ポケットの中に留まりやすく、コンクールと比べると少し清涼感が強いです。
コンクールと同じく研磨剤は無配合なので、歯を白くしたりすることはできませんが歯面への侵襲性は低いです。
SP-Tには着色を促す成分は含まれないため、歯磨き剤による着色は起こりません。
個人的な感想ですが、どちらも使い心地はとても良いです。
どちらを選ぶかの判断材料としては、コンクールジェルは効果の持続性、SP-Tジェルは殺菌力の高さや歯茎の炎症を抑えてくれるといった点を決め手にすると良いのではないでしょうか。
番外編として、コンクールジェルにはインプラント向けに作られたフッ素無配合のタイプがあります。
また、コンクール・SP-Tどちらも洗口剤があるので歯磨き粉にこだわりがあって変えたくない方は洗口剤もおすすめです。
このように歯磨き剤ひとつとっても、成分や効果は様々なので一度じっくりこだわって選んでみると歯磨きへのモチベーションもあがりますよ♪
歯磨きをいくら頑張っても臭いが気になる…と悩んでいる方は歯磨き材を変えてみるのもいいかもしれません。
清潔なお口とキレイな息でマスク生活を乗り越えましょう！
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グルコン酸クロルヘキシジン（ＣＨＧ）とは
クロルヘキシジンをグルコン酸塩とすることによって水溶性としたビグアナイド系化合物である。皮膚に対する刺激が少なく、臭気がほとんどない生体消毒薬（antiseptics）であり、適用時に殺菌力を発揮するのみならず、皮膚に残留して持続的な抗菌作用を発揮する。
https://www.yoshida-pharm.com/2012/text05_01_02/
イソプロピルメチルフェノール（ＩＰＭＰ）とは
バイオフィルムの表層と同じマイナスの電荷によって内部の細菌まで浸透し高い殺菌効果を示す。
https://www.lion.co.jp/ja/company/rd/topics/180