インプラント治療後の歯磨き粉について
インプラントを長持ちさせるには、自宅でのケアがとても大切になってきます。
毎日の歯磨きをしっかりと行ってお口の中の環境を整えてあげる事で、インプラントを良い状態で長期間使用する事が出来る様になるからです。
そんな毎日の歯磨きに必要な歯磨き粉もそれぞれ用途があり、インプラントには向いていないものあります。
せっかく歯磨きをしたのに歯ぐきに炎症が起きてしまったという事にならない様に、歯磨き粉選びについて詳しくご説明します。
【顆粒入り歯磨き粉のリスク】
歯磨き粉は色々な種類のものがあり、CMなどでも目にする機会も多いのではないでしょうか?
小さな顆粒が歯垢を絡めとってかきだす効果があるというものです。
この顆粒がはじけて歯周ポケットの中で効果を発揮するという商品もあります。
ただ実際には顆粒入り歯磨き粉を使用する事によって歯周病のリスクを高めてしまう事が分かってきています。
それは、歯周ポケットに入り込んで汚れを絡めとる働きがあるはずなのですが、深い歯周ポケットだと入り込んだまま歯周ポケットに留まってしまう事があります。
CMなどで見ると、歯周ポケットの中で溶けて、効果を発揮する様に思いますが、この顆粒は多くはゼオライトという水溶性では無い成分で出来ているので、歯周ポケットに入ったままだと異物となってしまって炎症の原因になってしまいます。
実は効果を発揮してくれているはずの顆粒が原因で歯ぐきにダメージを与えてしまうという事があるので注意が必要です。
【顆粒が入り込んだ時の危険な2つの事】
① 顆粒がある事によって汚れが入り込みやすくなってしまう
顆粒は、歯ぐきの中に留まってしまって取れない状態になってしまうと、その分空間が出来てしまいます。
その空間に汚れが入り込みやすくなってしまって、歯垢が取れない状態になってしまうと歯石になって、歯ぐきの炎症を起こしやすくなってしまうのです。
② 歯ぐきが腫れてしまう
歯ぐきの中に溶けずにとどまった顆粒は、異物と判断されて歯ぐきが炎症を起こす原因になってしまう事があります。
また、顆粒が入っている事で歯に細かな傷を作ってしまい、汚れがつきやすい状態になってしまう事もあるので、こちらも注意が必要です。
【インプラントにおススメの歯磨き粉】
それではインプラントにはどの様な歯磨き粉がおススメなのでしょうか?
最近の研究でフッ素がチタンを腐食させてしまうリスクがある事が分かってきました。
インプラントや土台となる部分はチタンが使用されている事が多いので、フッ素が配合されていない歯磨き粉がおススメです。
また顆粒入りだけでは無く、研磨剤も刺激がある事があるので研磨剤が配合されていないものもおススメになっています。
【インプラントにおススメは歯ブラシや清掃用具】
・歯ブラシ
インプラントにおススメ歯ブラシは歯ぐきの境目を磨きやすい様に毛先が入り込みやすいものです。
歯ぐきとの境目をマッサージする様に細かく磨いてもらう必要があるので、毛先が柔軟に入り込みやすいものが良いです。
またインプラント手術後はインプラント専用のかなり柔らかめの歯ブラシを使用して、術後の経過をみて歯ブラシの硬さも普通に変えていきます。
・歯間ブラシ
歯ブラシだけでは磨きにくい所を補ってくれるのが、歯と歯の間の汚れを取ってくれる歯間ブラシです。
歯の間の大きさによって合ったサイズの歯間ブラシがあるので、適切なサイズのものを選びましょう。
大きさが合わない歯間ブラシを使用していると歯ぐきを傷つけてしまう原因になってしまう事があるので注意が必要です。
【インプラント周囲炎】
インプラント治療は天然の歯と同じ様に、汚れが歯ぐきの境目に着いた状態だと炎症を起こしてしまいます。
この炎症がひどくなっていくとインプラントを支えている骨が痩せてきてしまい、インプラントは支えが少なくなる状態になってしまいます。
支えが少なくなったインプラントはグラグラしてきたり、最後には抜かなくてはいけないという事もあります。
インプラントを長持ちさせるにはお口の中を清潔に保って、インプラント周囲炎にならない様にする事が大切です。
そんな時に気を付けたいのが顆粒入り歯磨き粉です。
先ほどご説明した様に顆粒が歯ぐきの境目に入り込んでしまって炎症を起こしてしまいます。
インプラント部分に炎症は大敵なので、インプラント治療をした際には顆粒入り歯磨きを使用しない事をおススメします。
【まとめ】
せっかく自宅でしっかりケアをしようとしっかり歯磨きしても、歯磨き粉選びを誤ってしまうと逆に歯ぐきに炎症を起こしてしまって、お口の中にダメージを与えてしまいます。
インプラントを長持ちさせるには、歯周ポケットにダメージを与える事はとても良くないので顆粒入り歯磨き粉には注意しましょう。
普段何気なく使用している歯磨き粉にも用途がありしっかりと選ぶ事が大切ですね。
適切な歯磨き粉を選んで、インプラントを長持ちさせてくださいね。