歯科用CTの特徴
歯科用CTとは
歯科用CTとは、近年開発された歯科に特化したCT装置です。
三次元の高画質画像で用いることで、従来のレントゲン画像では判別できない、正確な骨の形態を把握することができます。
特に、インプラントや親知らずの抜歯などに用いることで、より正確で安全な処置が可能となります。
被爆線量が医科の1/8〜1/50と低水準であるところも大きな特徴です
一般的な歯科用レントゲンとの比較
一般的な歯科用
- 三次元の口の中を二次元に変換しているので像に歪みがある。
- 神経の走行や正確な骨の状態が分かりにくい
- 全体像を把握する上では利点がある
- 三次元的な位置関係などが分からず、勘に頼った部分が出てくる
CTスキャンによる
メリット
- 一般的な歯科用のレントゲンに比べ圧倒的な情報量があり、画質がキレイで骨密度などの診断も可能
- 3次元での診断が可能になり、全ての方向から悪い原因となるものが見つけられ、確実な診断がつく
- 全ての治療において活用でき、正確で安全な治療を可能とする
- 神経までの距離など、像に歪みがないため確実な距離がわかり傷を付けたりするリスクを下げられる
- 一般的なレントゲンとして二次元にして見る事も出来る
デメリット
- 放射線の被ばく量が歯科用レントゲン写真と比べて多い。
- 撮影時間がかかる
最先端の3D画像診断を応用した治療技術
インプラント×サージカルステント
歯科用CTでの撮影画像をもとに、事前に綿密なシミュレーションを行い、的確な治療計画を立てることは、安全な治療への第一歩です。
インプラントにおいては、術前の骨の状態(質や厚み、高さ、形態など)を正確に把握することで、切開する術式を採用するのか、切開をしない手術で埋入が可能か、骨造成や骨移植が必要かなど、より正確な診断が可能となります。
また、埋入時には、サージカルステントを併用することで、より正確に手術を行うことができます。
サージカルステントとは、歯科用CTの3D画像をもとに、マウスピース上の型を作製します。
手術の際にサージカルステントをお口の中に固定し、インプラントの埋入位置を記した穴にインプラントを埋入します。
角度や深さなどもコンピューターでシミュレーションしているため、より正確にインプラント治療を行うことができます。
しかしサージカルステントを作製する際に、インプラントを埋入の本数によりますが、5万~10万の別途技工料金がかかります。
歯周病治療
歯周病は、細菌感染によって骨の破壊が起きる病気であるため、骨の破壊の程度などをより正確に見て判断することができます。
また、骨の状態からおおよその歯の寿命を積算することも可能です。それにより適切な治療につながりますので、結果として長持ちする治療を行う事が出来ます。
根管治療
歯根の先端の病巣発見や、治療後の治癒の状態など、今までの二次元のレントゲン診断に比べかなり正確に把握できます。
歯科用CT画像を使った正確な診断によって、根の病気の完治を目指しやすくなります。
抜歯
歯科用CTを親知らずの抜歯や難しい抜歯に利用することで、立体的に把握することができます。
これにより、神経を引っ掛けてしまう可能性や、周囲の炎症の程度、病巣の有無や大きさ、位置なども判断・考慮して、治療を行うことができます。
また埋伏歯などの位置なども精密に判断できるので、余分な切開や骨の切削などを避けることができます。
矯正歯科治療
矯正治療への利用では、術前の検査診断で顎骨の状態が正確にわかるので、歯の移動の限界が予測できます。
また軟組織の状態もわかるので、治療計画の立案に役立ちます。
最適な治療方法を導くことは、矯正治療期間の短縮にもつながります。