先日The Implant Group の岩本先生主催にて行われた学会に参加致しました。
岩本先生は私の最も尊敬する恩師であり、インプラントをはじめとした歯科総合治療において国内外を通しても有数のスペシャリストです。全ての治療において妥協を許さず、患者さんを全力で治そうとする姿勢にはいつも頭が下がる思いで一杯です。
昨年も参加したのですが、昨年に続きスウェーデンのウメオ大学教授でありインプラント及び外科治療の権威でありますルンドグレン教授が講演及びライブオペの為いらしていました。
今回は上顎骨が薄い場合にサイナスリフトという増骨手術を行うのですが、その最先端の術式についてと、インプラントにおいて最も難しいとされる前歯部の審美ケース及び下顎から骨の移植片を取ってくる術式(ボーングラフト)についての講義及びオペでした。実際に私もよく行う治療法なのですが、根拠に基づいた最先端の技術を学んできました。
歯科医師になり独立するとどうしても他の医師のオペや治療は見る機会が減るので新しい術式や器具について自ら積極的に学会に参加しない限りどんどん遅れた治療になってゆきます。歯科医療は本当に日進月歩でして、私が歯科医師になった時より更にインプラントの治療などは安全度の高い治療方法が確立されて来ております。
私が歯科医師になった時にインプラントを入れる際CTスキャンを撮るというのは一般的でなくほとんどレントゲン1枚で難しいオペも行っており、患者さん、ドクター共にリスクが今よりも高かったのですが、今ではしっかりとした治療の為にCTはほぼ必須となり、さらにはコンピュータ上でシュミレーションした上でサージカルステントを使用することで術前に決めた位置に埋入する事が可能になって来ております。実際にそこまで行うにはドクターサイドの仕事量も増えるためそう簡単でないのは事実ですが、最近は以前よりも患者さんの知識が増えてきており、しっかりとした治療を行っている歯科医師とそうでない医師の差がどんどん出てくると思います。今後は安全性を重視する上でこういった治療がスタンダードになる可能性が高いと思います。
私自身も更なる技術向上をめざし、常に前進してゆこうと心より思うことが出来た素晴らしい機会となりました。
黒澤